- 2016.03.19 Saturday
今日のおともだち♪ミカエルくん♪
本日の今日のおともだちは感動秘話(個人的に)です
先日、製薬会社主催のセミナーに参加してきました。
そのセミナーの一部で、犬の飼育数を猫がついに超えたこと(テレビ見てても猫ブーム!猫ブーム!と言われてますよね)、犬猫共に保護施設などからの譲渡が増えるのではということを演者の先生が話していました。
その講義の途中、病院携帯(と私達が呼んでいる、転送用の携帯)に着信があったのでかけてみると当院の患者さんでした。
「先生、保護施設で里親を待っている子を引き取ろうか悩んでいるんですが…」とのこと。
(あまりにもタイムリーだったので、それを話して二人で電話口で笑っちゃいました)
その方が相談されたのは、その子が健常犬ではなくハンデを抱えている子だったためでした。
お話を伺った上でアドバイスをさせていただいたのですが、そのご家族の環境(先住ワンちゃん達をしっかりと飼育されていて、以前里親募集中の犬の一時預かり活動もされていた)から必ず責任をもって飼ってくださるだろうと思ったので、この子だ!と思われたなら前向きにご検討されてはという旨をお伝えしました。。
すると次の日、子犬を抱えたそのご家族が「先生…!」と満面の笑顔でご来院されました
それがこちら、3ヶ月の男の子、チワワのミカエルくんです
びっくりされた方も多いと思います。
私も純血種のワンちゃんで見たのは初めてでした。(理由は後ほど)
ミカエルくんの右眼は「小眼球症」です。字の通り眼球が小さい、生まれついての疾患です。
お顔のことなので、可哀想に…と胸をいためてくださる方が多いと思うのですが、左眼の視力がしっかりしていますので、実は生活にはあまり支障がありません。
目の病気で後天的に視力を失った場合でも、ワンちゃんにはよく利くお鼻があり、そもそも視力にあまり頼らない生活をしているので驚くほど普通に生活できる子もいます。
(以前勤務していた病院で同じ症状の子猫を診たのですが、その子も「片目がない」だけで元気いっぱいに暮らしていました)
ミカエルくんは生まれつき片目で生活しているので、おそらく本人は全く不自由を感じていないものと思われます。
というのも、ミカエルくん、めちゃくちゃ元気なんです〜
実に子犬らしく、家中を走り回っているそうですよ
先輩チワワちゃん3頭に、「遊ぼうよー‼」と子犬らしい圧をかけているみたいです。
撮影に苦労することが多い今日のおともだちですが、ミカエルくんはカメラを向けた途端にカメラ目線で静止!
さっきと違う写真ですよ
少し笑ってますね〜
めちゃくちゃ人懐っこいので、カメラを向けてない時はしっぽをプリプリ振って突進してきてくれます。
そんなミカエルくんにご家族もメロメロで、愛情をたっぷり注がれてすくすく成長中です
さて、この小眼球症はよくある疾患ではありません。
先天性疾患で、眼球自体が存在しない無眼球症という疾患もあります。
ミカエルくんは眼球は小さいながらありますが、外斜視(目が外側を向いている)があり右の黒目の部分が隠れてしまっているため視力の確認ができていない状態です(視力は問題ないケースから全くないケースまで様々です)。
日本では、ワンちゃんはペットショップで入手するのが一般的です。
ブリーダーさんの元からショップへやってくるのですが、ショップへ行くのは健康な、「商品」として問題のない子達に限られます。
病気によっては幼少時には疾患があることが分からず販売されるケースもありますが、初めから分かる疾患があった場合、ショップで販売されることはありません(きちんと病状を説明した上で、相場より安く売られるケースはあります)。
ミカエルくんは、そんな「売ることのできない」ペットを保護して里親を待つ施設から飼主さんの元へやってきました。
昔はまず表に出ることのなかったこういう子達に、あたたかいお家が見つかる時代になったんだなぁ…と胸が熱くなりました
飼主さんご一家は、新しい家族となるワンちゃんを探している時に施設でミカエルくんと出会ったのですが、その時「新しい子をショップで買うなら、そのお金をこの子の目のために使ってあげよう」と思い、ミカエルくんを迎えることを決意されたそうです。
思わず感涙です
愛情深いご家族に出会うことができて、ミカエルくんは本当に幸せなワンちゃんです
おでこの模様もチャームポイント
ミカエルくんのお家には先輩わんこが3頭います。
私は飼主さんが新しいペットを迎えられた時、新入りちゃんの名前を先住の子の名前から予想するのを密かな楽しみにしています
ということで、初診時名前が決まっていなかったミカエルくんもこっそり予想したところ、候補3つの中に見事入っていました!
という、個人的に嬉しかった話で締めさせていただきます
- 今日のおともだち
- 11:54
- comments(1)
- -
- by topaz-pc
突然のコメントで失礼します。
ウチにも生まれつき片目のチワワのオスがいました。4月に6歳という若さで天国へ行ってしまって毎日、考えては泣いたりで忘れることができなくて、たまたま同じようなチワワちゃんがいるのかなー?って探してみたら、この子の写真を見て嬉しくて涙が出ました。素敵な飼い主さんに可愛がられてるということで尚更、涙が出ました。
ホント突然ですみませんでした。可愛い写真が見れて嬉しかったです。ありがとうございました。